今日から魔王はじめます!
ひとしきり笑われてから、私たちは食事を終えた。


レンはもちろん私をからかいまくり、


“深淵の女王(ダーククイーン)”だの、“真なる闇色の覇王(グレートエンペラー)”だの、絶対なりたくない異名をこれでもかというほど並べたてた。



こいつ、本当に中二病患ってんじゃないの!


勇者ってだいたいイタいセリフ言うし!




ぷんすかしながらシャワーを浴びて、私はベッドに入る。


灯りを消してから、ふと思う。


緊張がいつの間にか消えていた。



実際、私が意識していたのは、レンが本当は相部屋なんて嫌なんじゃないかということだったのかもしれない。


もちろん、会ったばかりのレンのことをどうとかは思ってはいない。


でも、向こうはそんな態度は取ってないにも関わらず、私は拒否されるのを勝手に怖がっていた。



でも、緊張がいつの間にか解けている。



「まさか、ね」



レンが私の複雑な思いに気づいてるとは思えないけど。


1度布団に入ると、ドッと疲れが押し寄せてきて、


それからはドキドキとかする暇もなく、寝入ってしまった。
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