今日から魔王はじめます!
制服に着替え、かつらを装着して、部屋のカーテンを開ける。


確かに日が高い。正午ではなさそうだから、10半頃ってところだろう。


休日、部活がないときはもっと寝てるよ私。


唇を尖らせながら色つき眼鏡をかける。



とりあえず、レンの記憶から私の寝顔を消去したい。



「ふぁぁ……」


「マナミさん、よく眠れたかい」



食堂に行くと、料理人さんが声をかけてくれる。


レンはチェックアウトの手続き中だから、私は料理人さんの料理の様子が見えるカウンター席に座った。


そして、取り置いてもらっていた皿を受け取る。


朝食はカボチャペーストのホットサンドらしい。


私が寝坊したせいで冷めてはいたが、それでも美味しいことには変わりなかった。



「ごちそうさま」



席を立ち、笑顔であいさつ。そろそろチェックアウトも終わっただろう。


料理人さん、できたてを食べられなくてごめんなさい。



戦争が終わったら、また来るからね。
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