今日から魔王はじめます!
火花を出したものの正体は、彼の首にかかっていた、白い五芒星が描かれたペンダントだった。


慌てて手を引っ込めた今も、白く強い光を放ったまま。


呆気に取られた私を見て、兵士はまた顔を歪める。



「魔除けとの衝突…やはり、お前は…人間などでは、ない」


「魔除け…」



そんな、バカな。


私は自分の指先を見つめた。じりじりと痛む指先は熱を持ち、火傷を負ったように腫れている。


私はぐっと手を握り締めると、ビリッと制服の袖を破った。



そして火花が散るのも構わず、目の前の彼の怪我に手を伸ばす。


血が出ている箇所をちぎった布で縛り、出血している後頭部をタオルで押さえた。



でも…い、痛い…!本当に痛い!


熱した金属に、ずっと触れているみたいだ。



「き、貴様は…何を、」


「見てわからないの!?手当だよ!!あなたには家族がいるんでしょ!?


どうしてこんなところで倒れているのかはわからないけど、私のこんな火傷より、


あなたの傷の方がひどい!


もう何も喋らないで…ッ、頭の傷が開く!」
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