今日から魔王はじめます!
「これが、優勝賞品の、聖剣の洞窟の在り処を示す地図、そして歴史の石板です」
お姉さんが差し出した2つのものを、レンは顔を伏せたまま受け取る。
そして顔を伏せたまま、ゆっくりとお辞儀をした。
再びの歓声。
うん、そこでお辞儀は不自然じゃない。さすがレンだ。
ハラハラしながらも、私はお姉さんとレンの行動を見守る。
お姉さんはマイクをつけると、リングの中央で、観客席に向かって笑顔を見せる。
『皆様、今回の優勝チームに、大きな拍手を!!』
その言葉を合図にして、闘技場には怒涛の拍手が巻き起こる。
降り注ぐ歓声とクラップ音に目を細めながら、
私はレンに歩み寄った。
神妙な顔で眼鏡を見つめていたレンが、少しだけ頬を緩ませる。
そして眩しがるように、観客席を見上げた。
あはは、あそこなんてスタンディングオベーションしてる。
「良かったね、レン」
「ああ。…これで、聖剣を取りに向かえる」
……しかし。
試合の結果に満足していた私たちは、気づかなかった。
目の前のお姉さんの金髪の間から、焦げ茶色の髪がのぞいていたことに。
お姉さんが差し出した2つのものを、レンは顔を伏せたまま受け取る。
そして顔を伏せたまま、ゆっくりとお辞儀をした。
再びの歓声。
うん、そこでお辞儀は不自然じゃない。さすがレンだ。
ハラハラしながらも、私はお姉さんとレンの行動を見守る。
お姉さんはマイクをつけると、リングの中央で、観客席に向かって笑顔を見せる。
『皆様、今回の優勝チームに、大きな拍手を!!』
その言葉を合図にして、闘技場には怒涛の拍手が巻き起こる。
降り注ぐ歓声とクラップ音に目を細めながら、
私はレンに歩み寄った。
神妙な顔で眼鏡を見つめていたレンが、少しだけ頬を緩ませる。
そして眩しがるように、観客席を見上げた。
あはは、あそこなんてスタンディングオベーションしてる。
「良かったね、レン」
「ああ。…これで、聖剣を取りに向かえる」
……しかし。
試合の結果に満足していた私たちは、気づかなかった。
目の前のお姉さんの金髪の間から、焦げ茶色の髪がのぞいていたことに。