今日から魔王はじめます!
「だ、大丈夫!?しっかりして…!」



慌てて揺り動かすも、彼は喉を手で押さえたまま呻くだけだ。


息が苦しいの?でもどうして?


とにかく、どこかに運んで手当をし直さなくちゃ、


と思ったその時だった。



ごう!!


と、凄まじい音がして、風が巻き起こった。


あまりの風の勢いに、しゃがんでいた私は尻餅をついてしまう。


とと、飛ばされる!何この風!台風!?



「この…強大な魔力、は…ッ」



顔を歪めての呟きが聞こえて、私はハッとする。


もしかして…何かが…誰かが来たの?


まさか、あの炎を生み出して、森に放火した犯人?



風はまさに台風のように渦巻き、私達は中心部分で地面にしがみついている状態だ。


その中心に…この風を起こしたやつがいるってこと?
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