今日から魔王はじめます!
「……待って」



今の話に違和感を感じた私は、レンの話にストップをかける。



「今までの仮定が正しかったとすると、教会は情報を秘匿したかったんだよね…?」


「そうだけど」



「だったらどうして、“教会は石板の内容を知ってた”の?」



「……っ!!」



レンの目がこれでもかというくらい見開かれる。


そう。悪魔文字が読めるのは、この世に二人だけ。


魔王である私と、元日本人であるレンだ。


それなのに、教会が王家に情報を隠そうとするのはおかしい。



だって、教会も石板の内容がわかるはずがないんだから。



「……まさか…教会は悪魔文字を解読できたのか?」


「そんなの、無理だよ!始祖の時代の資料は、ほとんど残ってないんでしょ?


それなのに、未知の言語を解読できるわけないじゃない」


「だったら……誰かに教えられた?


いや、そんなはずはない、だってこれが読めるのは…俺と愛美だけのはずだ」
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