今日から魔王はじめます!
「「ふぁぁあ……」」



なんだよ話が違うじゃないか。


寝ぼけ眼のまま起き出して、顔を洗って狭いシングルルームを出ると、


大きなあくびがレンと重なった。



昨日、ちゃんとご飯を早め早めに食べておいて、すごく早く寝たのに、


ぜんっぜん眠れなかったんですけど。


ああ、超眠い……。



「これ、速船だったよな…」


「うん、確かね。だから、今日のうちに東大島の港に着くはずだよ…ふぁーあ」


「どうりで、前より揺れるわけだ…」



隈のある顔で、レンが恨めしげに呟く。


仕方ないんだけどね。豪華客船に乗れるだけのお金が無いんだから。


レンは王子様で、何不自由なく城で暮らしてた時もあっただろうから、


そりゃキツイだろう。
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