今日から魔王はじめます!
逃げたい。怖い。でも、この人を置いては行けない。


ここが夢だろうと、大掛かりなアトラクションだろうと、この人が目の前で大怪我してるのに、


私が…逃げるわけにはいかない。



…なんてカッコイイことを考えてみるが、そもそもの話立ち上がれないのである。



「風が…」



そして、しばらくして…風が止んだ。


あまりの激しさに白んで見えた風の動きもなくなり、視界が晴れる。


男の人はうう…とまだ苦しそうで…、



「!」



ハッとして、顔を上げる。


そうだ、この風を起こした誰かがここに来てるんだった。


だとしたら…いるはず。風が止んだんだから…、



「貴女が…黒い炎の使い手か」



ってやっぱりいたぁぁぁあああ!!放火犯(多分)!!

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