今日から魔王はじめます!
魔族である私(いまだに信じたくはないが)に、従わない魔物……?


それはきっとかなり少数だ。ランスさんも確かそう言ってた気がする。


魔王に従わない魔物など無に等しいと。


唯一の例外は、不死鳥のような、伝説にもなっている古代の幻獣……。



そこまで考えて、ハッとしてレンを見る。


彼は神妙な顔で頷く。



「ここが、幻獣級の魔物の巣窟であるということも予想できる。


迷いの森全体だけじゃなくて、その中心にある洞窟も」


「うそぉ~……」



不死鳥みたいなのが、まだいるなんて。


不死鳥は私に従ってくれたけど、確か先代の従属は断ったんだよね?


しかもそれを、魔王は咎めることも、手を出すこともしなかった。


それをしたら、おそらく自分も必要以上にダメージを負うことがわかっていたから。


頑固でやたら強い魔物を相手になんてしたくない。
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