今日から魔王はじめます!
私の火傷を治した術も、どうやらこれだったようだ。


フーデッドケープの焦げ跡などは直らないが、


体のところどころにできた擦り傷や切り傷などは綺麗に消えた。




「それにしても……レン、ここで術を使っても大丈夫なの?魔力が満ちてるんじゃないの?」



「いや…だいぶ薄まった。多分、洞窟の奥深くにある聖剣のおかげだな」



ただ、とレンが目を細める。



「洞窟の奥深くに竜たち幻獣のボスクラスがいるのは、間違いないな。


聖剣の守護獣には竜がぴったりだ。


……何せ、あいつらは魔物のくせに聖力に強い」


「こわっ」



なんなんだ、幻獣って。しかも、あれがボスじゃないんだ。


ボスはボスらしく、洞窟の奥で泰然と待っているわけか。



さしずめさっきの竜は門番と言うところだろうか。



……うん。



そりゃ教会側が自分のところから戦士を出したくないわけだ。
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