今日から魔王はじめます!
『伏せているがよい、若き王たち!』
即座に私たちの前へ出た竜が、藍色の炎……ドラゴンブレスを上空に向かって吐き出す。
空気を焦がす熱気が、こちらにも届いた。
しかし、レンの顔色は戻らない。
「まだ襲撃者はそこにいる!!気を抜くな!!」
『ヌッ!?』
叫んだ声に竜が翼をはためかせようとするが、遅かった。
どこまでも残酷な赤をした光の弾が、ドラゴンブレスを弾いたそのままの勢いで、
竜の体を貫いたのだ。
「きゃああああ!!?」
「竜ッッ!!」
ぐらりと巨体が傾いて、轟音と共に地面に沈む。
どうして、誰がこんなことを……!!?
倒れた竜に駆け寄りながら、私は上空を睨んだ。
しかし。