今日から魔王はじめます!
「ご錯乱なさらないよう。


もちろん、貴女が魔王陛下でございます。


れっきとした魔族の女王…つまり、我が影夜国の第十三代目の国王です」



私が、魔王陛下。えいやこく…の、女王。


私が……、



って、えええええええぇぇぇっっっ!!?



「どどど、どうしてですか!?私は魔族どころか人間ですよ!!


しかも地球に、この科学の時代の地球上に、魔族なんているとは思えません!


しかもここはどこなんですか!?日本じゃないですよねっ!?帰して下さい、日本に!」


「おっしゃる意味が分かりませんが」



怪訝そうに放火魔…ランスロットさんが眉を顰めた。


…心のどこかでは、わかってる。もう、わかってるんだ。


わかってるんだけど…認めたくない。


お願いだから、ドッキリ大成功、とか言って。


私の想像を、誰か、お願い、否定して。



「チキュウ?ニホン?それはどこかの地名ですか?


それに科学の世界とはいただけない。


魔族の女王であらせられる貴女が、人間の象徴を口に出したりなどすれば、


周りの魔族に舐められてしまいますよ」



そして、ランスロットさんは遂に私に止めを刺した。



「この星の名は、アシュタロス。


人間達の俗称は、『魔界』でございます」
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