今日から魔王はじめます!
あー……。


うん、私…こりゃ、死んだな。



がくり、と膝から崩れ落ちると、ランスロットさんが「どうされましたか」とあくまで冷静に私を支えてくれた。


その冷静さが、その優しさが、むしろ痛い。



「何が魔界よー!


アシュタンガヨガでもアシュタロスでもいいから、地球に帰りたいよぉぉぉぉ!」



不意に、脳裏にあのインチキ占い師が浮かぶ。


確か彼女は、『あなたの前世は中世の女王』だとか言ってたっけ。



ねぇ占い師さん。


女王なのは、『前世』じゃなくて『後世』だったんですけど!!


それであれか!?本当にラッキーアイテムは魔剣だってか!?


ちっくしょぉぉ、変な所で占い当てやがってぇぇ!!



ランスロットさんは嘆き悲しむ私を無視して、


淡々と話を続ける。



「先代魔王陛下が、勇者に倒されご崩御されてから、人間と魔族の間には休戦協定が結ばれていましたが…、


その均衡も、つい先日崩れました。


今こそアシュタロスの天下を取る時でございます、マナミ様」
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