今日から魔王はじめます!

私の手に、魔王の証である黒い炎が現れた。


超高熱の炎。強く念じれば念じるだけ、私の意のままに操れる。



「目の前の敵を、焼き尽くせ!!」



叫んだ瞬間、じゅわ!と音を立てながら、土人形があまりの熱に耐えられず、蒸発した。


残ったのは白い灰。



「少しはやるようだ」



“ランスさんの声”が耳に届いたその瞬間、目の前が真っ白に染まった。


今度は、“妖の王”が手をこちらに向けていた。


淡い曙光を受けてきらめくダイヤモンドダストが吹き荒れ、


凄まじい勢いの氷雪が私たちの肌を叩く。



寒い、を通り越して……熱い!!


そう思った刹那、青い光が目の前を通り過ぎて、吹雪が止んだ。



代わりに、猛烈な勢いで白い煙が立ち上る。
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