今日から魔王はじめます!
どういうこと、と聞く暇もなかった。
直後に、私の唇を……レンが自身の口で塞いだからだ。
「なっ、ちょっ、れっ……!!」
「……っ俺はこの手首だ、聖剣を上手く振れない!
一時だけの簡易な主従関係だ、ほら早く!!」
呆然としながらも、私は聖剣に駆け寄る。
しかしその瞬間、吹雪が一気に勢いを強めた。
風属性の魔力。
“ランスさんの”竜巻を加えて、吹雪は今まさに結界すら破ろうとしている。
「はぁっ!!」
思いっきり聖剣を引き抜いて、一振り。
余計な邪念を振り払うべく、そして目の前の吹雪を吹き飛ばすべく。
横薙ぎに一文字。
白銀の閃光が走った。