今日から魔王はじめます!
『礼には及びません。くれぐれも油断はせぬよう』


「うん!」



そして次の瞬間。


どう!!



不死鳥の横から、噴射されるオレンジ色の炎。


不死鳥はそれをふわりと舞い上がることで避けると、その赤の羽根で、炎と風を生み出す。


今のは、“獣の王”の火炎噴射だ、と認識した時には、既に熱風が猛然と吹き荒れていた。



熱さと風で前が見えない。黒煙が立ち上り、辺りに広がり更に視界を奪う。


空気を吸ったら、喉まで焼け付きそうだ。



そして、悪寒。


振り向くと、そこには先代魔王の亡霊が持つ魔剣が迫っていた。


しまった!避けられないっ…!



「白銀の歌を映せよ鏡、水底に沈むは夜半の月。


法術典項の九十二、“反射(レフレクシィオーン)”!」
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