今日から魔王はじめます!

刹那、吹き荒れる猛吹雪が私を襲った。


とっさに聖剣を横に薙ぐと、剣先から放たれた衝撃波が、氷雪を相殺する。



ただしかし、襲ってきたのは吹雪だけではなかった。


生み出された、新しい……見上げるほどに大きな土人形、


地獄の業火のように赤い炎の吐息。


そして、いくつもの風刃。


不死鳥の前に立ちはだかり、それを聖剣の光で打ち消していくけど……間に合わない。


私は涙を浮かべながら、歯を食い縛った。



どうして!


どうしてただの女子高生の私が、こんな思いをしなくちゃならないの!?


あの時、死にたくなかった。


私はまだ日本で生きて、学園を卒業したかったのに!



父と母と、友だちと、平凡で生きたかった。
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