今日から魔王はじめます!


轟!!と。



瞼を灼くほどの光に、喉の奥で悲鳴が漏れる。


光の奔流。


透き通るような白銀を基調とした光が広場の隅々まで広がり、


黒い光を消し飛ばしていくのがわかる。


その圧倒的な聖なる光に包まれた三人の四天王が、


ばたばたと地面に倒れていくのも見えた。



「すげぇ」



唖然としている私の後ろで、いつの間にか疾竜に下ろしてもらっていたらしいレンが呟いた。



「レン!大丈夫なの!?」


「そうみたいだな。この聖力の奔流のせいか、手首の痛みも引いたよ」


「よかった……」



不意に、強く聖剣が光を発した。


帰りたがっているのだ。本来の主人のもとに。



「ありがとう、聖剣アポロン。あなたに守られてばっかだった……。


レン、これ、返すね」
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