今日から魔王はじめます!
「こんの…………っ、ああ、もうッ!!」
行ってやろうじゃないかこの鬼畜勇者め。もう腹は括った。
怖がってもいい……自分を飾らずに戦えるんだから。
刹那、黒い魔力の光が、白銀の光を食い潰した。
黒い渦に呑み込まれそうになった時、レンが聖剣を一振りした。
爆発音とともに、白銀の閃光が迸り、黒い光を一掃する。
操られた亡霊の、紅い目が瞬いた。
その隙をつくように、今度は数千もの細い白金の光が蜘蛛の巣のように拡がり、
光の檻となって亡霊を拘束する。
「すご……すごいっ、レン!」
勇者が使うと、威力がやっぱり桁違いだ。
「はっはっはー。もっと崇め奉ってくれてもいいんだぞ」
「ごめん、今ので尊敬心が一気に萎えたかも」
「おい」