今日から魔王はじめます!

冗談に冗談で返す余裕が出てきたことに、自分自身でホッとする。


私は手に黒い炎を宿すと、すっと息を吸った。


直後、強烈な破裂音が響いた。


拡張した黒い魔力が、今にも光の檻を壊しそうだ。



「おっと……やばいな」



レンが聖剣を持つ手に力を込めると、光の檻が一段階輝きを増す。


今がチャンス!


私は駆けだすと、自分の黒い炎を魔剣に向かって放った。


それもすぐに魔剣の発する魔力に跳ね返されてしまう。



それでも、諦めない。私は一人じゃないから。



「魔剣ディアボロス!!あなたに問います!!!」



力を込めて、叫ぶ。



「本当にいいの!!?その人の魂は、私の忠臣のものなんだからね!!!」



届かせる。届かせてみせる。
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