今日から魔王はじめます!
「ハッハッハッハ、申し訳ない。息子と同じ年の魔王など見たことがないのでな。


どうしても苛めたくなってしまうのだよ」



聖ミスリルの国王陛下は、突如からからと笑った。


さっきまで、戴冠式を聖王都で執り行うことになったからか、


不機嫌そうに頬杖をついていたというのに。



「あ、あの…」



恐る恐る国王陛下を見上げてみると、レンのように整った顔の彼は、優しく微笑んだ。


もうおそらく四十路ぐらいのはずなのに、三十路にすら届いていないような容貌の、


若々しく美しい王様。


イケメンに対する耐性があまりない私は、その甘い微笑みに真っ赤になってしまう。



「よいだろう、私は貴女が気に入った。


私は貴女を魔王と認めよう。


戴冠式は我が王城でやるといい。それも、場所を貸すだけだ…貸しなどと思わなくていい。


もちろん国同士の関係も、対等だ」
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