今日から魔王はじめます!

「は……は、はいぃ……」



かか、かっこよすぎです国王陛下……っ!


ばきゅーん、と心臓を打ち抜かれたみたいにうっとりする私。


もうばか、何考えてるの私ったら、相手はきっと麗しい奥様に綺麗な愛妾がたくさんいるはずなのに……っ。


するとレンが不機嫌な顔で私の腕を引っ張った。


そしてこれまた不機嫌な声で言う。



「父上。誰に色目を使ってるのかおわかりですか。こいつは魔王になる女ですよ」


「色目?ほう、それは心外だな。


この私がいったい誰に色目を使ったというんだね我が息子よ」


「母上に言いつけてきます」


「ほほーう?」



バチバチバチッと、二人の間で飛ぶ火花。


“妖の王”の吹雪よりも寒く冷たい風が、私の周りで吹き荒れている……!
< 352 / 383 >

この作品をシェア

pagetop