今日から魔王はじめます!
…そして。
風の音が止み、見えない力に引っ張られるような感覚がなくなると、
私は恐る恐る目を開けた。
「マナミ様…いいえ、陛下。ここが影夜国王都、“シャドウィング”になります」
ランスさんが右手で前を指し示す。
ゆっくり視線を上げると、そこに広がっていたのは。
「う、わぁ…すごい!ここが、魔族の国」
魔族の国だなんて、陰気で、湿っぽくて、皆鬼のような顔をしているのかと思っていた。
たくさんの悪魔が跋扈し、魔王がそれを力だけで治めているのかと、そう思っていた。
でも、違った。
目の前に広がるのは、まるで中世のイギリスのような街並み。
確かに、活気が溢れている市場には、見たことのない肌の色の人はいるし、
ところどころ、悪魔の羽のようなモノが生えた生き物もいる。
商人らしき人が連れている馬には角があるし、
羽の生えた水色の妖精みたいなのを側に控えさせている身分の高そうな人もいる。
「ここが…影夜国」
私が魔王なら…治めることになる国。
風の音が止み、見えない力に引っ張られるような感覚がなくなると、
私は恐る恐る目を開けた。
「マナミ様…いいえ、陛下。ここが影夜国王都、“シャドウィング”になります」
ランスさんが右手で前を指し示す。
ゆっくり視線を上げると、そこに広がっていたのは。
「う、わぁ…すごい!ここが、魔族の国」
魔族の国だなんて、陰気で、湿っぽくて、皆鬼のような顔をしているのかと思っていた。
たくさんの悪魔が跋扈し、魔王がそれを力だけで治めているのかと、そう思っていた。
でも、違った。
目の前に広がるのは、まるで中世のイギリスのような街並み。
確かに、活気が溢れている市場には、見たことのない肌の色の人はいるし、
ところどころ、悪魔の羽のようなモノが生えた生き物もいる。
商人らしき人が連れている馬には角があるし、
羽の生えた水色の妖精みたいなのを側に控えさせている身分の高そうな人もいる。
「ここが…影夜国」
私が魔王なら…治めることになる国。