今日から魔王はじめます!
「ひょえ〜…」



かんっぺきな外人さんだ。


あの兵士さんみたくかんっぺきな外人さんが、日本語ペラペラってことだよね?


シュールだ。



そしてランスさん曰く、魔力が強い者ほど明度が暗く、色素の濃い色の瞳や髪を持つらしい。


しかし、薄くても黒ければ…つまり、灰色や茶色などの瞳や髪を持っていたりすれば、魔力が高いんだそうだ。


もちろん、濃ければ濃いほど潜在魔力が多い。


そして、その最たる例がこの私、



黒髪黒目の一ノ瀬愛美というわけだ。



「さぁ陛下、こちらが王座の間でございます」


「う…わぁ…」



扉だけでも圧倒されてしまう。


なんて荘厳で、美しい黒い扉なの。


あの正門よりサイズは小さいのに、豪華絢爛でもないのに、


どうしてこうも圧倒されるのだろう。



「それでは陛下…お入り下さい」



ランスさんが扉を押して開き、


恭しく私の手をとった。
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