今日から魔王はじめます!
「…ラッキーアイテムが魔剣って、どんなだよーっ!!」


「落ち着きなさい愛美。電柱に当たるな。


今更あの占い師がおかしいということに気づいたあんたがおかしい」


「ううっ、だって」



中世の女王様。


そんなこと言われたら(しかも見た目すっごくベテラン)舞い上がるに決まってる。


美咲先輩曰く、その考え方が私がアホたる所以と言うが、


人生疑ってばかりじゃ損していると思う。


…のだが今回ばかりは反論できない。私がバカ野郎だった。それもかなりの。



「あんたはその爛漫さが長所でもあるんだけどね。世間知らずなのが玉にキズね」


「えー…まぁ、否定できませんけど…」



両親ともに中の上の会社に勤める、中の上の裕福さを持つ一般家庭に生まれた、一人娘。


アホではあるけど、小学校から偏差値の高い私立の学園に通って、お嬢様とお坊ちゃまに囲まれていたからか、


世間を知らずに生きてきたのも無理はないと自分で思う。



「もう高1なんだからしっかりしなさいよね」



そう言う美咲先輩も、歴史ある旧家のお嬢さんだ。


常識的で、世間に対して辛辣、そして何よりしっかり者の優等生…その性格はどこから来ているのだろう。


ご両親か?


なら根本的な問題だな、うちの両親はどちらもほわほわだ。
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