今日から魔王はじめます!
ふと顔を上げてみると、衣装棚が目に入った。


先代の服だろうか。それとも、コレクション?


興味をそそられた私は、恐る恐る衣装棚に近寄る。



「失礼しまーす…」



誰もいないのに、なんとなくそう呟く。


なんだか故人の荷物漁るみたいで(事実そうだが)気が引けるけど、


気になるのだ。


ごめんなさい先代様。



「わ…」



すごい。


そこには、the・王様!という感じの深紅のマントや、黒いローブなどがたくさんあった。


どれも、服であっても、コレクションであってもおかしくない、魔王としての正装みたいな衣服がばかり。


あ、この焦げ茶のフーデッドケープ、私でも着れるかも。



服を見ているとなんだかわくわくしてきて、沈みがちだった気持ちも、


少しだけ上がってきた。
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