東方想雨天
湖の主 わかさぎ姫
--- 霧の湖 ---
霧の湖…。湖から立ち込める蒸気によって濃い霧を発生させる妖怪の山の麓の湖で、幻想郷唯一の湖だ。異変元の方角からして、この湖を渡らなくてはいけないようだ。霊夢の陰陽玉を持ってすれば、方角は分かるが、先程の妖精達の件もある。ここの主、わかさぎ姫も同じ影響を受けている可能性がある。霊夢的には避けたい所であったが、妖怪の狂暴化とかあっても困るから、片っ端から懲らしめようと決めていた。
湖の入口へと入ろうとした時、泡の様なものが空中へと上っていくのが見えた。しかも、隙間余すことなく無数に泡だらけだ。よく見ると泡の中に魚がぴちぴちと跳ねているのが見えた。つまり、この泡は湖の中から発生しているようだ。そして、その原因は一つしか無い。わかさぎ姫によるものだ。
「何やってんのかしら…。魚の分際で…」
「魚じゃありません!これでも妖怪です!」
湖の底から、声の主が現れた。下半身は魚だが、上半身は着物を着た女性の、人魚に近い妖怪『わかさぎ姫』。霊夢の一言で怒っているのか出現と同時に湖の波が陸にまで波打っていた。湖が氾濫を起こしている。元々、雨で湖のかさ増しがあったからか溢れかえる手前だ。しかし、これ以上氾濫を起こされては水害による被害も大きくなる。仕方ない…。
「あまり湖を荒らさないでくれるかしら?」
「いや、なら、通してよ。空中のあの泡で先に行けないんだけど?」
「…?何よそれ?そんなの私してないわよ?」
こいつもか…。チルノと同じく、本人の知らぬ間に起きているようだ。しかも、それはわかさぎ姫の影によるものだ。しかし、チルノとは違って、戦闘前から独自で動いているし、自然災害も起きている。これは結構危険だ。本体は倒す必要はないから、影さえ倒せればこの場は収まるはず…。
「まぁ、いいわ。今、この雨の異変によって、雨を受けた者には、本人と同じ黒い影が現れ、本体以上の能力で戦闘向きなのよ」
「へぇ…。それって、私の隣にいるこの黒いのかしら?」
わかさぎ姫の右隣には、同じわかさぎ姫の影がいた。その影は、霊夢を見るやニヤッと口元が笑った。
「…。わかさぎ……その影を倒すの手伝ってくれる?」
「………断るわ」
「えっ!?」
「私を愚弄する言動忘れてないかしら?」
「それは、私の性分よ。ごめんなさいね」
「許さないわ。前の輝針城の時に加えて、恨み晴らさせてもらうわ!」
やっぱりこうなるのか……。仕方ない…。また、サクッと終わらせようか。
「…………ーい」
「……ん?」
どこからか声が聞こえる。それも聞き覚えのある声だ。
「……おーい!………いむー!」
霊夢の後ろから、最初に倒したはずの魔理沙が箒に乗って追ってきた。
「霊夢!助太刀に来たぜ!」
「どこからの差し金?頼んでないんだけど?」
霊夢は深いため息を漏らした。霊夢にとっては邪魔でしかない。自分より弱いくせに…。でも、今追っ払う時間もないし、邪魔にならないようにしてもらおうか。
「はぁ…。邪魔はしないでよね?私は影を倒すから、本体をよろしく」
「任されたぜ!」
霧の湖…。湖から立ち込める蒸気によって濃い霧を発生させる妖怪の山の麓の湖で、幻想郷唯一の湖だ。異変元の方角からして、この湖を渡らなくてはいけないようだ。霊夢の陰陽玉を持ってすれば、方角は分かるが、先程の妖精達の件もある。ここの主、わかさぎ姫も同じ影響を受けている可能性がある。霊夢的には避けたい所であったが、妖怪の狂暴化とかあっても困るから、片っ端から懲らしめようと決めていた。
湖の入口へと入ろうとした時、泡の様なものが空中へと上っていくのが見えた。しかも、隙間余すことなく無数に泡だらけだ。よく見ると泡の中に魚がぴちぴちと跳ねているのが見えた。つまり、この泡は湖の中から発生しているようだ。そして、その原因は一つしか無い。わかさぎ姫によるものだ。
「何やってんのかしら…。魚の分際で…」
「魚じゃありません!これでも妖怪です!」
湖の底から、声の主が現れた。下半身は魚だが、上半身は着物を着た女性の、人魚に近い妖怪『わかさぎ姫』。霊夢の一言で怒っているのか出現と同時に湖の波が陸にまで波打っていた。湖が氾濫を起こしている。元々、雨で湖のかさ増しがあったからか溢れかえる手前だ。しかし、これ以上氾濫を起こされては水害による被害も大きくなる。仕方ない…。
「あまり湖を荒らさないでくれるかしら?」
「いや、なら、通してよ。空中のあの泡で先に行けないんだけど?」
「…?何よそれ?そんなの私してないわよ?」
こいつもか…。チルノと同じく、本人の知らぬ間に起きているようだ。しかも、それはわかさぎ姫の影によるものだ。しかし、チルノとは違って、戦闘前から独自で動いているし、自然災害も起きている。これは結構危険だ。本体は倒す必要はないから、影さえ倒せればこの場は収まるはず…。
「まぁ、いいわ。今、この雨の異変によって、雨を受けた者には、本人と同じ黒い影が現れ、本体以上の能力で戦闘向きなのよ」
「へぇ…。それって、私の隣にいるこの黒いのかしら?」
わかさぎ姫の右隣には、同じわかさぎ姫の影がいた。その影は、霊夢を見るやニヤッと口元が笑った。
「…。わかさぎ……その影を倒すの手伝ってくれる?」
「………断るわ」
「えっ!?」
「私を愚弄する言動忘れてないかしら?」
「それは、私の性分よ。ごめんなさいね」
「許さないわ。前の輝針城の時に加えて、恨み晴らさせてもらうわ!」
やっぱりこうなるのか……。仕方ない…。また、サクッと終わらせようか。
「…………ーい」
「……ん?」
どこからか声が聞こえる。それも聞き覚えのある声だ。
「……おーい!………いむー!」
霊夢の後ろから、最初に倒したはずの魔理沙が箒に乗って追ってきた。
「霊夢!助太刀に来たぜ!」
「どこからの差し金?頼んでないんだけど?」
霊夢は深いため息を漏らした。霊夢にとっては邪魔でしかない。自分より弱いくせに…。でも、今追っ払う時間もないし、邪魔にならないようにしてもらおうか。
「はぁ…。邪魔はしないでよね?私は影を倒すから、本体をよろしく」
「任されたぜ!」