東方想雨天
 雨那は、何かぶつぶつ呟いている。闇のオーラを纏い、途轍もない憎悪が溢れていた。霊夢が起き上がってくるのを見て、スペカを取り出した。
「雨符『レインスパークマシンガン』!」
 室内に降る雨が、雨那の祓い棒の先に収束し、弾丸のように霊夢目掛けて無数に射出された。
「ぐっ……!かはっ………!」
 霊夢とその周りに直撃した。直撃した部分は水になり、霊夢の周りが水溜まりとなった。霊夢はダメージの蓄積に、濡れた服の重さで起き上がることが出来ない。更に、濡れた服で雲の上は凍るように寒い為、体力がどんどん奪われて意識が薄れてきている。そんな霊夢を起こしてあげようと、雨那は新たにスペカを発動した。
「寝てるんじゃないよ……。雷雨『ボルテックストーム』!」
 霊夢の周りの水が竜巻となり、霊夢を閉じ込めた。更に中央上空に、雷雲を発生させ、霊夢目掛けて雷が落とされた。
「がっ………!?」
 突然の雷に、霊夢はエビ反りになり、悶絶した。竜巻から解放された霊夢は、死んだかのように気絶した。早苗は、霊夢を助けようと走り出したが、身体が重く、息が上がりやすくなっていた。結界が崩れていたのを知らず、雨に当たっていたからだ。やっとの力を振り絞って霊夢の前に立ち、雨那の攻撃の盾となった。が、一発食らえば倒れてしまう程の体力の無さに、雨那は容赦はしなかった。
「邪魔……。黒雨『寒閑憎雨』!」
 黒い雨が早苗を襲った。その雨を浴びた早苗の身体は、とても寒く、心がカラッカラに干上がっていった。
「あ………ぁ………」
「この程度……?博麗の巫女にしては弱すぎない?」
 ついには早苗も倒れ、雨那の瘴気が薄れ、事態は終結した……。
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