妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~

「あのね、昨日の図面で1つある訂正があってね」

「この前のお休みに、友達とランチに行ったお店がね」



影山君から特に返事があるわけじゃなかったけれど、彼の纏う空気が私を拒否しているようには思えなくて、一人でずっと話していた。
時折こちらを覗くようなチラリとした視線が返事がわりのように思えて、彼とのこの時間はなぜかとても落ち着いた。


「あっ。そういえば、今日はノー残業デーでしょ?影山君は予定ある?」

そうそう。
言うの忘れていたわ。

「……………特に…」

「そう。良かったわー。今日、飲み会だから」

「……………はい?」

「だから、今日は部署内の若手交流会で、まぁただの飲み会だから。えっとね、18時からいつもの『まる太』ね。場所分かる?一緒に行こうか。終わったら声かけるね」

「聞いてませんが?」

「うん。そういうと思って、参加って私が丸しておいたから」

「……………はい?」

「大丈夫!きっと楽しいよ?」

「いや。そういうことじゃなくて」

「私もいるし」

「……………………」

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