妄想オフィス・ラブ ～キスから始まるエトセトラ～

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よし。
今日のお仕事終了っと。
逃げられる前に、影山君に釘さしとかなきゃね。
これじゃあ本当にパワハラだわ私。
あはははは。

「影山君。そろそろ終わりそう？」

机の整理をしているところを見ると、丁度良いタイミングだったかな。
パワハラ上等、有無を言わさず連行しますよー。

「さぁーて。行きますか」

最大級の笑顔を作って、威嚇する。

「っっ…………はい」


あきらかに渋々といったような感じで答える影山君に少し悪い気もしてきた。


「影山君、無理言ってごめんね。だけど、皆もうちょっと影山君とお話ししたいみたいなの。だけど、影山君中々こーゆう飲み会来ないでしょ？せっかくだからさ、皆で楽しもうよ！ね」

会社から会場の『まる太』までは、最寄り駅を少し過ぎたところにある、こじんまりとした居酒屋だ。
食事も美味しく、さまざなジャンルのお酒を置いているため、酒飲みの多いうちの部署の人間はよくここを利用している。

歩いていけるのもポイントだ。

影山君に謝りながら『まる太』までの道を歩く。
彼との身長差は30センチもあるが、私に合わせてゆっくり歩いてくれるさりげなさにいつも感心する。
嫌々ではあると思うが、こうやって最後は付き合ってくれる所など、とても優しい人だと思う。


「………はぁ。もういいですよ。僕はあまりお酒は飲める方じゃないので、場をしらけさせることがあるかもしれませんよ？」

「大丈夫！大丈夫！皆自分のペースで飲む人たちばっかりだから。誰が何飲んでるかなんて気にしてないと思うよ」

「分かりました……じゃあ１つお願い聞いてして下さい。知らない人とすぐに話したり出来ないので、守屋さん隣に居てくださいね。約束ですよ？」

影山君を見上げると、チラリとこちらを見ながら条件を出してきた。