妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
「影山くーん。珍しいね、飲み会参加してくれるの。良かったら話さない?」
「いつも何してるの?」
「今度社内のバレーボール大会あるでしょ?お弁当作っていくから食べてくれない?」
「あっ、独り暮らしなら作りに行くよ?」
おぉーっと、会話にならない影山君に対してここで勝負に出たか。
女子力アイテムの1つ、手料理アピールだ!
あはははは。
一人で遊んで一人でウケた。
にやにやしているのがバレたのか、上から冷たい視線が飛んできて、いつもより少し低い声で釘を刺された。
「……………楽しそうですね」
はい。すみません。
人で遊んじゃ駄目ですね。
かしまし三人娘も諦めたのか、いつの間にかいなくなっていた。
「…………何飲んでるんですか?」
「これ?キール?だったかな?」
「…………は?」
「あれ?モスコミュール?」
「……………何杯目ですか」
「えっと…3?4?くらい」
「いつもそんなに強いのばっかり飲んでるんですか?」
すうっと空気が冷えるような気がした。