妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
「えーっと。これってきついの?」
「…………はぁ。帰りますよ」
「え?どうしたの?」
「今日、仕事終わらすためにお昼ほとんど休憩とってなかったでしょ?空きっ腹にそんなキツいのばっかり飲んでたら、一気に回りますよ」
「ふふふ。良く知ってるね」
「………ほら。その無駄に高いテンション。酔い始めてますよ。今日はもう帰りましょう」
「ふふっ。はーい。じゃあ帰る前にちょっとお手洗いだけ行ってくる」
なるほど。さっきから妙に楽しかったのは酔っぱらっていたのね。
トイレにある鏡で自分の顔を確認してみる。
あちゃー頬はほんのり赤いくらいだけど、目元が駄目だわ。ぼんやりしてる。
あはははは。
変な顔ーって、これが酔ってるのね。
あははは。
今日は影山君の言うとおり帰りましょう。
よく気がつく子ですねぇ。
ぼんやりしながら、トイレからでると通路横にある個室のふすまが開いた。
出てきた人とぶつかりそうになり、ごめんなさいと会釈して通り抜けようとすると、腕を捕まれた。