妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
「こんにちはー。あっれー君可愛いねー。一緒に飲もうよ」
なんだ?ナンパか?
「あーごめんねー。もう帰るところだし、無理かな。君達はごゆっくりどうぞー」
きっと若いわねこの子達。
あしらいぎみに言葉を交わして、足早に通り抜けようと試みる。
「えー。そんな事言わないでさ。楽しもうよ、ね。こっち、こっち。座って」
すれ違い様に再び腕を捕まれ、個室の座敷に引っ張り込まれそうになる。
こんなことで負けてなるものか、満員電車で鍛えたこの足腰で踏ん張ろうと力を入れるが、いかんせん飲みすぎた。
体に力を入れた瞬間ふらりとめまいがした。
「飲みすぎちゃった?休んでいけば良いよ。どうぞどうぞー」
しまった!力が入らない。
個室では他の2、3人の男の子が、『ウェーイ』なんて叫んでる。
おいおい。
本当に勘弁して欲しい。