妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
「やめっ、、、」
「人の連れに何してるの?」
聞いたことのない低い声がして、思わずビクッと肩が上がった。
「影山君……」
「瑞希、帰るよ」
捕まれていた手を振り落としてくれて、その手で肩を捕まれた。
ぐっと力が込められて、影山君の胸に押し付けられる。
「何?」
「い……いえ!すみませんでした!」
謝りながら個室へ逃げ込んで、ばたん!と襖が閉められた。
はぁ良かった。
あの子らも恐かっただろうなー。
この顔で、あの声だもんね。
私も怖いさ。
うんうん。
1人納得していると、捕まれた肩を押し出され、店の外へ連れ出された。
影山君の歩くペースについていけず、待って、とお願いしてみるも、引きづられるようにそのまま無言で連れられて、駅横の小さい公園に入った。
少し入ったところに、ベンチがあり座るように促される。
飲んだすぐに、(私にとっては)競歩のようなスピードでここまで歩いてきたので、息はきれるは喉もカラカラだった。
はぁはぁと倒れ込むようにベンチに寄りかかっている間に、影山君は自販機でお茶を買ってきてくれた。
「どうぞ」
「はぁはぁはぁ。あ、、ありがとう。申し訳ないけど頂くね。喉がカラカラで、、」
ペットボトルの蓋を開けようと力をいれるも、フラフラでヘロヘロの体に力が入らない。