妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~


「重ね重ね申し訳ありません。はぁはぁ。開けてください……」

冗談混じりに座ってお辞儀をしながらペットボトルを開けて欲しいと前に立つ影山君にお願いする。

「ねぇ。はぁはぁ。私、荷物置きっぱなしなんだけど……はぁ、、ん」

全然息が整わない。
アラサーともなるとこんなに体力がなくなるのか……。
辛いなぁ。

「ふぅ。お金も払ってきてないし。悪かったなー。はぁ、、ん。あはははは疲れすぎて笑えてきちゃった」

ペットボトルの蓋をカチッと開けて、まだ少し低い声で影山君が答えてくれた。

「……荷物は……ここに。お金は払っておいたので大丈夫ですよ」

「へっ?あれ?本当だ、私の荷物持ってきてくれてたんだね。全然気づかなかった、持たせてごめんね。お金も後で払うから。ありがとう」

大分と落ち着いてきた息に安堵しながら、開けてもらった荷物とペットボトルを受け取ろうと手を伸ばす。

あれ?くれないの?
コテンと首を傾けて立ったままの影山を覗き混む。

「………っ、」

「お茶、下さいな?」

「………っ、守屋さん」

「はい?」

「…………もう少し、自覚して下さい」

「えっと……はい?……何を?でしょうか」
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