妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~

体は今も全く動かせないが、視線を合わすことも出来ず、目が泳いでしまうのは致し方ないと思うの。チラチラ見てはいるものの、課長はバッチリ私を見てる。嫌だ、怖い。
だって、だって、目を合わせたら私きっと石にされちゃうー!

なんか涙出そう…。



「……チッ、、俺に集中しろよ」


どうやってですかーーーー!!!



なんて心の中で突っ込み入れて瞬きしたら、再び唇に感じる温もりが。
さっきされたバードキスなんて可愛いものじゃなく、チュッと最初に触れたと思ったら、噛むように私の唇を食べ出した。上唇と下唇と別々に口に含まれて、ヒャッと思わず零れ出た瞬間に、口の中に分厚くて大きい舌が割り込んできた。

それからはもうされるがままで、練っとりとじっくり口内を掻き回された。
逃げようと思っても、追いかけられて、捕まえられた。絡まる課長の舌に、思わず欲情してしまいそうだった。


「…………んんっ、………っ、」


苦しくて、鼻を抜ける甘い吐息が自分のものとは思えないほどやらしくて。


恥ずかしいと思う事すら出来なくなって、本当に頭が真っ白になってしまった。

体の力も抜けていき、気づけば課長のスーツを掴んでなんとか支えてもらっている状態で。

最後はゆっくり私の唇を舐め上げた。
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