妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
すぐに戻ってきた影山は、お釣りと頼まれたコーヒーを手渡してくれて、少しの休憩だ。
今日はこれで終わりだ、比較的早く帰れそうだし環のところへでも寄るか。
仕事が一段落したところで思い出すのはやはり、環の事だ。
ふぅ、と一息ついて、
「そうだ、影山。打合せで話す機会も増えていくんだから、もう少しあいそよくしろよ?お前そんなんで守屋とちゃんと会話してんのか?」
「それは……仕事と関係が?」
つっけんどんな言い方だが、影山のこういう言い方のときは、照れていたり、振ってほしくない内容のことだと、上司である三嶋は分かってきた。
「いや、悪い。仕事は仕事で会話は必要だが、守屋との事はただの興味だ」
笑いを含みながら、一度聞いてみたかったと三嶋は言う。
「守屋だぞ?あいつだけは読めん。あいつくらいだぞ、俺にタマの文句を言ってくるのは」
「あ¨ーーー。俺も言われますね。麻美の事で守屋には世話になったし」
「お前ら同期だったな」
で、どうなんだ?と、二人から話を戻される。どうなんだと、言われても瑞希とも特別何かが違うわけでもないし、基本的に瑞希が一方的に話してそれを聞くと言う形が出来上がっている。
ただ、それは社内でも同じなのだが、なんとなく言葉を濁してしまう。
「………別に………普通ですが?」