〜後悔〜壮絶なDV体験ーDVの心理〜逃げなきゃだめだよ!
交際
約束した日に、待ち合わせの店の場所に行くと雄大は車から降りてきては、いつものようにこう言った。
雄大『すいません、お忙しいのにお時間つくって頂いて。大丈夫でしたか!?』
優美『いえ‥全然気にされないでください。こちらこそ、ありがとうございます。嬉しいです。』
雄大は優美を食事に誘う時はいつも、どこの店にしようかと頭を悩ませている。
雄大『すいません‥色々悩んだんですが‥ここで大丈夫でしたか?
悩めば悩むほどわからなくて‥。この間は和食だったので今日は違うところのほうがいいのかとおもって‥。』
優美『私はどこでも構わないんです。
食べ物の好き嫌いもありませんし。
雄大さんと、ご一緒ならどこでも構いません。
ー'お気遣い頂いてありがとうございます。気にされないでください。』
明るく帰す。
雄大はいつものように緊張している。
優美『あの‥。雄大さんて、いつもそうなんですか?』
雄大『えっ!なにがですか!?』
相変わらず飛び上がり大きなリアクションで目を見開く。
優美『あの‥失礼でしたらごめんなさい‥。すごくいつも気を使って緊張しているように感じますし、無理されていらっしゃるんじゃないかとおもって‥。』
優美は言ってはいけないことを言ってしまったんじゃないかとおもいながらも、ずっと気になっていたことだった。
雄大『えっ、そうですか!?そうみえますか!?
よくわからないです‥元々こういう性格なので。よく言われるんです。変ですかね!?変わってますか?』
とても気にしている様子の雄大に、優美は申し訳なくおもった。
それでも、その毎回ピリピリした違和感は気になり嫌だった。
優美『あっ‥変ではないです。なんだかいつも物凄く無理されているようなかんじがして‥。あまり気を使い過ぎないでください。』
雄大『無理しているつもりはないんですが、変われないんです。ずっとこんな性格なんです‥!』
いつも笑っている雄大から優美はずっと無理に笑う苦しいようなきもちを感じていた。
優美『辛くはないですか‥?』
雄大『えっ‥。疲れることはありますが、元々なんです‥。』
雄大は力強い口調で下を向いてそう言った。
優美はいつも通り何も気にしていないように装い優しい口調で返した。
優美『‥そうなんですね。笑
雄大さんはいつも周りのかたに気を遣って、偉いです‥私は雄大さんの様にできないですもん。』
神経が過敏な雄大には、言葉を選ばなければいけなかった。
雄大はいつも苦しそうだった。
優美は雄大がいつも辛そうに一生懸命明るく振る舞う姿が気になっていた。
きっと気を使いすぎとかそういったものではない。
優美(家庭環境‥。
‥謙虚というより自己評価が極端に低いような気がする‥。
二人での会話の内容も何だかいつも気になる‥。言葉の端々も‥何だろこの違和感‥。)
カウンセリングを少しだけ学習していた優美は
前々からそう感じていた。
薄々、優美の中に雄大の家庭環境が脳裏をよぎっていた。
複雑なそれはとても言葉には出せるものではない。
それでも優美は雄大へのおもいを覚悟している。
優美(ううん、私ならきっと大丈夫‥!雄大さんのことが好きだから。向き合いたい‥!)
雄大『もう遅くなってしまいますし、そろそろ帰りましょうか!?車まで送りますよ!』
優美『あっ、そうですね。』
いつものように雄大はさっと会計を済ませた。
優美『ありがとうございます。』
雄大『いえいえ、とんでもないです。これくらいのことしかできずすいません。』
店を出て少し歩く。
ふと雄大と優美は目が合い道の真ん中で立ち止まった。
雄大『ん‥どうしました?』
優美『えっ‥?いえ‥。』
視線を逸らすこともできずに二人は無言で立ち尽くす。
二人はしばらくお互い戸惑った。
雄大『優美さん‥。』
雄大は優美を抱きしめた。
優美は何の迷いもなく雄大の胸に飛び込んだ。
繁華街から少し外れた道のど真ん中で
時間にしたら30分ほど経っただろうか。
人目を憚ることも忘れて、雄大と優美はもう何も見えなくなった。
雄大『愛しています。一目みた時から優美さんに惚れていました。一目惚れでした‥あの時から優美さんのことばかり考えてしまってた‥頭がおかしくなりそうだった。』
優美『私もです‥。あなたを愛していました‥苦しかった‥。大好きなのに言えなかった。』
雄大『ごめんなさい‥全然気付かなかった。優美さんがそんな風に思ってくれているなんて‥。』