蝶々、とまって。
* * *
「沙良、前園先輩いるよ」
窓から外を見ていた友達が、報告してくれるけど。
「うん…」
今までなら、見に行ってた。
手を振ってた。
あれから一週間、前園先輩には会ってない。
こんなのただのヤキモチで、私に一週間会ってないことなんて、前園先輩は気付いてすらいないのかもしれなくて。
このまま忘れられてしまうのかもしれない。
でも、少しだけでも、ほんの少しでも、寂しいって思ってくれてたりはしませんか…?
ーーそんな有り得ない期待ばかりしてしまう。
そして寂しいって思ってるのは私の方だなんて、本当にバカだ……。