蝶々、とまって。





「蝶になりたいな」




ぽつり、とそう呟く前園先輩。


……なに、それ。




「もう十分、蝶みたいですよ」

「えっ、どういう意味?」



くすり、と笑う彼は、蝶みたいだ。


ひらひら、ひらひら宙を舞う。


優しく肩に触れて、捕まえられると期待させて。



新しい花を見つけたらきっと、すぐに飛んでいってしまうんでしょ?







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