ストリッパー
「オーナーの女になる気はありませんよ。いったい情婦は何人いるんです?」


薄笑いを浮かべる狸は

「金に不自由せんよ」
そう言って煙草をはいざらに揉み消す


50過ぎくらいだろうか

この年でギラギラしているのだから
正直呆れる
はたして人間の情欲は年齢に関係ないのか?
それともこの男だけ特別なのか


「私は一人の男の、一人の女じゃなきゃ嫌なんです」


「はっつ、本気でそんな夢みてるのか?」

狸は声を立てて笑う

「ここにいる連中を見てみろ。一人の女に満足せず、若い女をむさぼる。まるで、欲の権化、ハイエナだ」

「ここは異様な世界ですよ。だって、一般社会はこんなことありえない」



< 12 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop