ストリッパー
幻夜
眠らない街

こんな時間でもやっている店はいくらでもあるのだ


ただ、貧乏人の私が入れるようなところはあまりない


そこは会員制の
静かな雰囲気の店だった


客はまばらだ

個室に通される




「好きなもの頼んで」


「はい。じゃあマティー二」


「僕は、いつもの」


「かしこまりました」


ボーイが頭を下げて出て行く


静かにドアが閉められ
密室に2人りきりになった


「君はいつからあの店にいるの?」


「約二年前からです」


板野はタバコに火をつける

細い煙が昇る

私はタバコを持つ指に視線を移す

指輪はしていない

独身?

でも分からないな

この手の男は指輪をしなかったり
外したりしてるから


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