ストリッパー
ガラスの靴
あれから1ヶ月

板野は一度も店には来なかった


嘘ばっかり

私は思う

所詮金持ちの暇つぶしだったのに


あの男の言葉に淡い期待を抱いていたのか、私は


いったい何を期待していたのだろう

また、会えることに



馬鹿な自分


板野に惚れたわけじゃない


ただ、『また店に行く』の言葉を
単純に信じてしまっただけ


そこが、私らしくなかったって思う


クラブに来る男なんて
所詮、金で女を買いにくるだけ

そこに愛はない


クラブを一歩出れば

元の、良き夫、父、社会人になるはずなのだから
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