ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~
「翠ちゃーん、一緒にトイレ行こう」
授業の合間の休み時間、千恵美ちゃんからトイレ同伴のお誘いを受けた帰りに鍵の件を頼んでみたら、ニコニコと快諾してくれた。
「うん、もちろんいいよ。あたしが使うときは言うから」
「ありがとう千恵美ちゃん」
「で?」
「……でって?」
「だからぁ、坂井君とはあれからどうなのよ?」
キラキラした顔でそう聞かれてしまって、返事に困ったあたしは、口をへの字に曲げて唸ってしまった。
千恵美ちゃんは、この鍵はあたしが坂井君に告白するために必要なんだと思っている。
うぅん、どんな風にはぐらかせばいいんだろうか……。
「小田川さん」
唸りながら歩いていたら、突然後ろから声をかけられて足が止まった。
このぶっきらぼうな声は……。
「……なに? 遠藤さん」
遠藤さんが、例によって好戦的な顔であたしを見ている。
連休が終わって通常通りの日々に戻ったのは、あたしだけじゃなかった。
坂井君にやり込められて以来、しばらくは鳴りを潜めていた遠藤さんも最近になってエンジンがかかり始めたらしく、なにかにつけてまたチクチクと刺し始めてきている。
「小田川さん、球技大会の日って休むの?」
授業の合間の休み時間、千恵美ちゃんからトイレ同伴のお誘いを受けた帰りに鍵の件を頼んでみたら、ニコニコと快諾してくれた。
「うん、もちろんいいよ。あたしが使うときは言うから」
「ありがとう千恵美ちゃん」
「で?」
「……でって?」
「だからぁ、坂井君とはあれからどうなのよ?」
キラキラした顔でそう聞かれてしまって、返事に困ったあたしは、口をへの字に曲げて唸ってしまった。
千恵美ちゃんは、この鍵はあたしが坂井君に告白するために必要なんだと思っている。
うぅん、どんな風にはぐらかせばいいんだろうか……。
「小田川さん」
唸りながら歩いていたら、突然後ろから声をかけられて足が止まった。
このぶっきらぼうな声は……。
「……なに? 遠藤さん」
遠藤さんが、例によって好戦的な顔であたしを見ている。
連休が終わって通常通りの日々に戻ったのは、あたしだけじゃなかった。
坂井君にやり込められて以来、しばらくは鳴りを潜めていた遠藤さんも最近になってエンジンがかかり始めたらしく、なにかにつけてまたチクチクと刺し始めてきている。
「小田川さん、球技大会の日って休むの?」