ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~
「ねえ千恵美ちゃん、四組の坂井望君って知ってる?」
胸の奥の大きな不安を押し隠しながら、努めて平静を装って聞いてみた。
積極的に他人に話しかけるほど社交的ではないあたしは、まだ他クラスの顔ぶれまではわからないけど、千恵美ちゃんなら知っているかもしれない。
「えー、なになに? 翠ちゃんたら恋の予感~?」
「違うよ。さっき生徒玄関で鉢合わせしたの。坂井君も遅刻したのかなって思って」
ニヤニヤしながらあたしの腕を肘で突っついている千恵美ちゃんにそう答えると、急に千恵美ちゃんは真面目な顔になった。
「ああ、坂井君もいま、大変だもんね」
「大変って?」
「翠ちゃん、知らなかった? 坂井君ね、お兄さんを亡くしたばかりなんだよ」
「……え?」
あたしの心臓が、不穏な音をたてて大きく鳴った。
「先月、交通事故に遭ったらしいよ? だから坂井君は卒業式とか合格発表とか入学式とか、全部法事と重なっちゃったみたい」
「……」
「まだ色々と忙しくて、落ち着かないんだろうね。ほんとに気の毒だよね」
胸の奥の大きな不安を押し隠しながら、努めて平静を装って聞いてみた。
積極的に他人に話しかけるほど社交的ではないあたしは、まだ他クラスの顔ぶれまではわからないけど、千恵美ちゃんなら知っているかもしれない。
「えー、なになに? 翠ちゃんたら恋の予感~?」
「違うよ。さっき生徒玄関で鉢合わせしたの。坂井君も遅刻したのかなって思って」
ニヤニヤしながらあたしの腕を肘で突っついている千恵美ちゃんにそう答えると、急に千恵美ちゃんは真面目な顔になった。
「ああ、坂井君もいま、大変だもんね」
「大変って?」
「翠ちゃん、知らなかった? 坂井君ね、お兄さんを亡くしたばかりなんだよ」
「……え?」
あたしの心臓が、不穏な音をたてて大きく鳴った。
「先月、交通事故に遭ったらしいよ? だから坂井君は卒業式とか合格発表とか入学式とか、全部法事と重なっちゃったみたい」
「……」
「まだ色々と忙しくて、落ち着かないんだろうね。ほんとに気の毒だよね」