君の涙を、
はじまり。



じめじめとした梅雨特有の空気が、私の肌を重くまとわりつく。



そんなある日の今日も、クラスメイトは私を指差しては



何やら面白そうに話していた。





ばかみたい。





私はいつものように白いヘッドフォンを頭につけた。




これをつけて外でも眺めていれば、周りのことなんか気にならない。




窓際の席、最高。




ヘッドフォンをつけたら付けたで、何やら怒ったような表情を浮かべるクラスメイトを横目に




いつものことだ、そう思いながら目を閉じた。





私はいつだって一人だ。



それが惨めだとは思わないし、寂しいとも思わない。





それが私にとっての、当たり前だから。





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