君の涙を、
「えー、朝礼始めます」
うちの担任、山河先生は手に持っていた書類を、教卓に並べては連絡事項をつらつらと発する。
どれもこれも、私には関係ない話。
「以上。それから前にも行ったように、このクラスに転入してきた新しい仲間を紹介します。はい、拍手ー」
転入生、そんなこと前にも言ってたっけ…?
あ、でも言ってたような気がするなぁ。忘れてたわ。
曖昧な記憶を探しだすも、ハッキリとしたものがでてこない。
皆が待ってました、とでも言うように
いつも煩い伊藤も、くそ真面目な田中さんも
どこか浮かれた顔をして拍手をしていた。