復讐アプリ
「泣き叫ぶなんて、みっともないよ」




泣きながら、両手で顔を覆った私の耳に、タツヤの声が届いた。




「復讐アプリからは抜け出せないんだから、復讐アプリのルールに従えばいいじゃないか」




タツヤの言葉は、いつも冷静で冷たい。




タツヤの感情は、いったいどこにいってしまったのだろう。




「復讐アプリの目的は、憎しみの拡散と復讐のリアル化なんだ。

人の幸せとか、不幸を撒き散らかす自分の存在とか、
そんなことを考えるのって、本当に無駄だよ。

何も考えずに、復讐アプリに憎しみの投稿をすればいいんだ。

そうすれば黒アゲハさんは、復讐アプリ内で有名になって、たくさんの人にフォローしてもらえるんだから」




私は涙を拭って、そう言ったタツヤに言い返した。
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