復讐アプリ
〈 私の後ろに誰かがいる……。

誰かが私の背中を見つめている……。

私の後ろにいるのは、いったい誰? 〉




私の体を包み込んだ影は、動くことなく、
誰かがずっと私の後ろに立っていることを私に教えてくれていた。




だけど、今日、初めて郡山市に来た私には、この場所に知り合いなんていない……。




得体のしれない不安が、私の心を支配し始めたとき、
聞き間違えることのないその声が、私の名前を呼んでいた。




「渡瀬理恵さん……、だよね」




私は悪意が込められているその低い声に、ハッとして振り返った。
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