復讐アプリ
私が振り返ったその先に、いるはずの誰かはいなかった。




今、私の目に映っているのは、いつもと変わらない私の部屋だ。




でも、違う……。

そんなはずはない……。




だって私は、絶対に誰かに肩を叩かれたから。




だって私は、絶対に女の人の声を聞いたから。




私は初めて体験した心霊現象に、怯えながら、震えていた。




どうして急に、こんなことが起きたのだろうって……。




パニックになって、どうしていいのかもわからない私の視界に、私のスマホが入り込んだ。




ベッドの上に置いてある私のスマホには、復讐アプリの投稿欄が映し出されて、光っていた。




〈 私の復讐のシナリオを読んで…… 〉




私はスマホを見つめながら、さっきの女のかすれた声を思い出した。




私はスマホを手に取り、スマホに映し出された復讐のシナリオを読み始めた。
< 45 / 244 >

この作品をシェア

pagetop